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鉄観音

同じ鉄観音を3つの淹れ方で飲み比べた記録

同じ袋の清香型鉄観音を、蓋碗での工夫式・急須での西洋式・冷蔵庫での水出しという3通りの淹れ方で1週間かけて飲み比べました。何が淹れ方による違いで、何が単なる好みの差だったのかを、条件をそろえた上で率直に記録します。

TeaGuanyin Academy 編集部 約4分

「淹れ方でそんなに変わるものなのか」という疑問を確かめるため、開封から日の浅い同じ袋の清香型鉄観音を使い、1週間のうちに工夫式・西洋式・水出しの3通りで淹れて飲み比べました。茶葉も水も同じ、変えたのは淹れ方だけです。

この記事は理論のまとめではなく、実際にやってみた記録です。数値や感想には個人の舌による差があることを前提に読んでください。

要点

同じ清香型鉄観音を、蓋碗での工夫式、急須での西洋式(1回抽出)、冷蔵庫での水出しの3通りで淹れ比べたところ、香りの立ち方・渋みの出方・後半の味の推移がそれぞれ大きく異なりました。工夫式は煎ごとの変化を楽しめる一方で手間がかかり、西洋式は手軽だが終盤にやや渋みが出やすく、水出しは最も飲みやすいが香りの複雑さは控えめでした。どれが正解というより、時間と手間をどこにかけたいかで選ぶ淹れ方が変わる、という結論になりました。

検証の設計 — 同じ茶葉で条件をそろえる

使った茶葉は、開封から1週間以内の清香型鉄観音(購入時のまま密閉容器で保管)です。水は同じ浄水を使い、1人で1週間のうちに3回、時間帯もできるだけ揃えて試しました。淹れ方以外の条件をそろえることで、「これは方法による違いか、それとも自分の気分による違いか」を切り分けることを目指しています。ただし試したのは1人・1週間という限られた条件であり、味の感じ方には個人差が大きいことを先に断っておきます。

方法1 工夫式(蓋碗)— 短時間・複数回抽出

120mlの蓋碗に茶葉4g、熱湯でリンス後、1煎目を30秒、以降は5〜10秒ずつ延ばして5煎まで淹れました※1。1〜2煎目は花のような香りがはっきり立ち、渋みはほとんど感じません。3煎目あたりで香りの輪郭がやや落ち着き、代わりに口の中に残る甘さ(回甘)が出てきました。4〜5煎目になると香りは弱まりましたが、渋みが出ることはなく、最後まで穏やかな味わいで終えられました。

手間はかかりますが、1煎ごとの変化をそのまま「記録」として味わえるのが工夫式らしさだと感じました。

方法2 西洋式(急須で1回抽出)— 手軽さ優先

普段使いの急須に茶葉3g、湯200ml、90℃前後で3分ほど1回だけ抽出しました。1杯あたりの香りと味の強さは工夫式の1〜2煎目より濃く出ますが、3分という時間の中に「立ち上がりの香り」と「終盤の渋み」が両方混ざって出てくる印象でした。特に抽出の最後のほうで、蓋碗のリンス直後のような雑味に近いものをわずかに感じ、工夫式の1煎目ほどのクリアさはありませんでした。

とはいえ、洗い物も少なく、1杯を淹れる手間は圧倒的にこちらが楽です。忙しい平日の朝にはこの手軽さが合っていると感じました。

方法3 水出し — 冷蔵庫でひと晩

茶葉5gを冷水500mlに入れ、冷蔵庫でひと晩(約10時間)置きました。低温でゆっくり抽出すると渋み成分が出にくいとされており※2、実際に飲んでみても渋みはほぼ感じられず、口当たりは3つの中で最も滑らかでした。一方で、熱を加えないぶん立ち上る香りは弱く、工夫式1煎目で感じたような花香の華やかさは薄れていました。

暑い時期に量をゆっくり飲みたいときには水出しが向いていますが、「香りを味わう」という目的には物足りなさが残りました。

3つを並べてわかったこと

同じ茶葉でも、淹れ方によって「何を主役にするか」が変わることがはっきりしました。工夫式は香りの変化そのものを楽しむ淹れ方、西洋式は手軽さと引き換えに終盤の渋みを受け入れる淹れ方、水出しは渋みを避けて滑らかさを取りにいく淹れ方——それぞれ得意なことが違います。

ただし、これは清香型・1人分の舌・1週間という条件での記録にすぎません。濃香型のように焙煎の効いた茶葉であれば、西洋式の1回抽出でも渋みが出にくく、印象は変わる可能性があります。また、渋みをどこまで気にするか、香りの複雑さをどれだけ重視するかは個人の好みの部分が大きく、この記録の「良い・悪い」がそのまま万人に当てはまるわけではありません。

次に読む

工夫式の具体的な手順を先に押さえておきたい方は、複数回抽出で鉄観音を淹れる工夫式のやり方をまとめた記事を参照してください。

自宅での飲み比べ自体をもっと体系立ててやってみたい方は、家庭でできる比較テイスティングの練習方法を紹介した記事もあわせてどうぞ。

参考文献

  1. ZhenTea. "How to Brew Tie Guan Yin (Iron Goddess) Tea." ZhenTea.(本稿執筆時点の情報。最新情報は公式サイトを参照のこと。)
  2. "Cold brew tea." Wikipedia.(低温抽出が苦味・渋みを抑えるとする一般的な説明であり、茶葉の種類や条件により結果は幅がある。)

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