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淹れ方・茶器

蓋碗(がいわん)の使い方 — 基本の持ち方と淹れ方の手順

蓋碗は碗と蓋と受け皿だけのシンプルな道具ですが、慣れないと指を火傷したり注ぎこぼしたりします。持ち方から二煎目以降の淹れ方まで、つまずきやすい点を含めて手順化します。

TeaGuanyin Academy 編集部 約5分

蓋碗(がいわん、蓋付きの碗)を初めて手に取ると、多くの人がまず「熱くて持てない」というところでつまずきます。急須のような取っ手がなく、碗と蓋と受け皿だけのシンプルな道具だからこそ、正しい持ち方を知らないと指先を火傷しかねません。

一方で、蓋碗は構造がシンプルな分、湯温や浸出時間の影響がそのまま味に出るため、茶葉の個性を確かめるには向いた道具でもあります。慣れれば、急須よりも扱いやすいと感じる人も少なくありません。

この記事では、蓋碗を使って一煎目から数煎目までを淹れる手順を、持ち方の要点とよくある失敗を含めて整理します。

要点

蓋碗は碗を丸ごと持たず、縁(ふち)を指先でつまむように持つと熱さを感じにくくなります。茶葉を入れて湯を注ぎ、蓋を少しずらして隙間を作り、その隙間から茶を注ぎ切るのが基本の流れです。一煎目は10〜20秒前後を目安に短く淹れ、二煎目以降は少しずつ時間を延ばして調整します。火傷や注ぎこぼしは、隙間の角度と注ぐ速さでほとんど防げます。

前提:蓋碗と一緒に用意するもの

蓋碗そのものに加えて、注いだ茶を受ける茶海(ちゃかい、湯冷まし兼共用ピッチャー)と、数個の茶杯(ちゃはい、小さな飲み杯)があると流れがスムーズになります。茶海がなければ、直接茶杯に注いでも問題ありません。

容量は120〜150ml前後の蓋碗が扱いやすく、茶葉は3〜5g程度を目安にします。烏龍茶のように固く丸まった茶葉は多めに、白茶のようにふわりとした茶葉は容積で判断してください。

手順:蓋碗で淹れる基本の流れ

①温める

蓋碗に少量の熱湯を注ぎ、碗全体を軽く回してから湯を茶海または他の器に捨てます。これは消毒目的ではなく、碗を温めておくことで、この後注ぐ湯の温度が下がりにくくなるからです。

②茶葉を入れる

温めた蓋碗に茶葉を入れます。蓋を開けたまま香りを確認しておくと、この後の煎ごとの変化に気づきやすくなります。

③湯を注ぎ、蓋をする

茶葉に向かって湯を注ぎ、碗の8割程度まで満たしたら蓋をします。プーアル茶や焙煎の強い烏龍茶では、最初の一投を数秒で捨てる「洗茶(せんちゃ)」を行うのが一般的です※1

④縁を持ち、隙間を作って注ぐ

蓋碗の縁を親指と中指でつまみ、人差し指で蓋のつまみを軽く押さえます。碗全体ではなく縁だけを持つのが、熱さを感じにくくする最大のポイントです※2。蓋を数ミリずらして茶葉が出ない程度の隙間を作り、その隙間から一気に茶海または茶杯へ注ぎ切ります。

⑤二煎目以降を淹れる

茶殻はそのまま蓋碗に残し、再び湯を注いで同じ手順を繰り返します。一煎目より数秒長めに浸出時間を取るのが目安で、茶種によっては5煎以上楽しめます※1

目安の数値

一煎目はおよそ10〜20秒で注ぎ切り、二煎目以降は1回あたり5〜10秒ずつ延ばしていくのが、多くの烏龍茶や黒茶で通用する出発点です※1。湯温や茶葉と湯の比率の考え方は、湯温・比率・時間という3つの基本を扱った記事と共通しています。

確認

注ぎ切った直後に蓋碗の中を覗き、茶葉がまだ十分に開いていない、あるいは湯の色が薄いと感じたら、次の煎で数秒延ばします。逆に渋みが強く出た場合は、次の煎で数秒短くするか、湯温を少し下げます。

つまずきやすい点とリカバリー

もっとも多い失敗は、蓋碗を碗ごとぎゅっと握ってしまい、指先を火傷することです。縁だけをつまむ持ち方に慣れるまでは、湯量を8割ではなく6〜7割程度に抑えると、熱さの余裕ができます。

もう一つのつまずきは、隙間を大きく開けすぎて茶葉ごと流れ出てしまう、あるいは隙間が狭すぎて茶が出るまでに時間がかかり、結果として蒸らしすぎになることです。数ミリの隙間から一気に注ぎ切る感覚は、何煎か練習しないとつかみにくいものです。ただし、多少こぼれても茶葉が無駄になるだけで道具が壊れるわけではないため、まずは数回失敗する前提で練習することをおすすめします。

渋くなりすぎた煎ができてしまっても、廃棄する必要はありません。次の煎の浸出時間を大きく短縮すれば、それまでの過抽出をある程度打ち消せます。

次に読む

蓋碗の操作に慣れたら、湯温・比率・時間という3つの変数の考え方をあらためて確認すると、淹れ方の理解が深まります。おいしく淹れる3つの基本を茶種別に整理した記事を参照してください。

蓋碗を使った複数煎の楽しみ方は、鉄観音を題材にするとより具体的にイメージできます。鉄観音を工夫式で淹れる手順を扱った記事もあわせてご覧ください。

参考文献

  1. Spirit Tea. "Brewing Guide: Introduction to Gaiwans." Spirit Tea.(本稿執筆時点の情報。煎数や時間は茶種・茶葉のコンディションにより幅がある)。
  2. Té Company. "Brew Tea in a Gaiwan." Té Company.(本稿執筆時点の情報。持ち方の基本を参照)。

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